MacでAIかな漢字変換azooKeyを使う

azooKey(あずーきー、あずき)はオープンソースのAIかな漢字変換(IME)ツールです。iOS用のほかにmacOS版もありますので、Macにインストールしてみました。デフォルトの設定でもMac標準のIMEよりずっと賢いので、お薦めします。

macOS版の「Download for macOS」をクリックして azooKey-release-signed.pkg をダウンロードし、ダブルクリックしてインストールした後、

すれば動きます(最初の1文字の変換は少し時間がかかりました)。

メニューバーから開くメニューで設定ができます。AIの力を発揮するにはライブ変換がおすすめですが、慣れもありますのでお好きな設定にしてください。細かい設定や単語登録は、メニューバーから開くメニューの「詳細設定」の中で行います。

GitHubのazooKey on macOSにソースコードや技術的な情報が載っています。


さて、これでMac標準のIMEより賢い変換ができるようになったと思いますが、メニューバーから開くメニューの「詳細設定」の下のほうには「OpenAI APIキーの利用」というおもしろそうなチェックボックスがあります。OpenAIのAPIキーを持っている人はこれをチェックして、APIキーとお好きなモデル名を設定しておけば、azooKeyの中からGPTモデルが呼び出せます。例えば「吾輩は猫である。[確定]つづき[Ctrl-S]」とすれば「吾輩は猫である」の続きをChatGPTに考えてもらうことができます。あるいは「遅刻しました。[確定]いいわけ[Ctrl-S]」で遅刻の言い訳を考えてもらうことができます。他社のAPIでもOpenAI互換であれば設定できます。

API料金が発生するのは嫌なので、私はローカルのLM Studioで適当なモデル(例えばopenai/gpt-oss-20b)を動かし、OpenAI APIとしてはダミーの文字列(例えば sk-xxxxxx)を入れ、OpenAI Model Nameにも適当なダミー(例えば lmstudio)を入れ、API Endpointとしては http://127.0.0.1:1234/v1/chat/completions を設定しました。

残念ながらEmacsやGhosttyでは左側の文字列が取得できないので「吾輩は猫である。[確定]つづき[Ctrl-S]」などはうまくいきませんでした。「ブチギレ[確定]えもじ[Ctrl-S]」もうまくいかないので、ブチギレした顔の絵文字を出したければ、「ぶちぎれかおえもじ[Ctrl-S]」のように、入力済みの文字列を参照しなくてもいい入力をして、確定前にCtrl-Sを押せば、うまくいくようです。

ほかに、文字列を選択してCtrl-Sすれば選択範囲を一括処理できるMagic Conversion機能があり、リライトや翻訳に便利です。これもEmacsでは使えないようです。

当然ながら、Ctrl-Sで出てくる候補はLLMモデルに依存します。openai/gpt-oss-*のほか、lmstudio-community/qwen3-vl-32b-instructも賢いので常用しています。

詳細設定には「(開発者用)デバッグウィンドウを有効化」というチェックボックスもあります。有効にしておけば、d でデバッグモードに入り、Shift-d で抜けます。

参考になりそうな記事