Wnn6 を使ってみました

はじめに

オムロンソフトウェア(株)の Wnn6 for Linux/BSD をぷらっとホームで9000円で買いました。 さっそくインストールして使ってみました。 「貴社の記者が汽車で帰社した」なども一発で変換でき, 以前使っていた canna よりずいぶん賢いのですが, 起動はかなり遅く感じます。 一度起動してしまえば同じですが。

ちなみに,Wnn は「うんぬ」と読みます。 Wnn の名前は,その入力例「私の名前は中野です」に因むそうです。

インストール

Slackware では installpkg を使うのが簡単ですが, 何をしているかわからないので,次のように手動でインストールしました。

# mount -t iso9660 /dev/cdrom /cdrom
# cd /
# tar xvzpf /cdrom/linux/wnn6-2.2-2.tgz
# /install/doinst.sh -install

/etc/passwd に次のように追加(変更)します。 重要なのは wnn と 127 だけで,あとは適当でかまいません。

wnn:*:127:1:Wnn:/usr/local/OMRONWnn6/:

/etc/services に次のように追加します。

wnn6            22273/tcp

/usr/local/bin/Wnn6/jserver を起動します。

/etc/rc.d/rc.local に次のように追加します。



# Wnn
if [ -x /usr/local/bin/Wnn6/jserver ]; then
        /usr/local/bin/Wnn6/jserver > /dev/null
        echo 'Jserver started.'
fi

Wnn6 を hogehoge というマシンにインストールした場合, 他のマシンでは次のように環境変数を設定しておきます。

export JSERVER=hogehoge
export USER=okumura

Mule で使う

Wnn6 対応の Mule のバイナリは最近の PJE には入っているようですので, それをインストールするだけです。 馬場さんのところ では Solaris 版を含めたいろいろなバイナリを置いてくださっています。 私は, よしだともこさんのページ を参考に,自分で make してみました。

PJE の sources/mule ディレクトリの mule-2.3-19.34-alpha01.tar.gz を適当な場所で展開し,パッチ mule-2.3-19.34-alpha01+lx.diff.gz をあてる。

/usr/local/OMRONWnn6/wnnsdk/sdk/Linux-2.0.0.tar.gz (または ftp://ftp.omronsoft.co.jp/pub/sdk/Linux-2.0.0.tar.gz) をたとえば /usr/local の下で展開する。

次のようにする。

./configure i586--linux --with-gcc \
        --with-x \
        --with-x-toolkit=yes \
        --x-includes=/usr/X11R6/include/X11 \
        --x-libraries=/usr/X11R6/lib \
        --with-x-app-default-path=/var/X11R6/lib/app-defaults \
        --with-wnn6 \
        --with-wnn-includes=/usr/local/include/wnn \
        --with-wnn-libraries=/usr/local/lib/libwnn.a

ここで Makefile を適宜書き換える。 私は -g -O-O2 にした。

make
make install

あとは /usr/local/bin/emacsmule というハードリンクを作りました。

これで Mule を起動して Ctrl-\ で Wnn6 が動きますが, 101キーボードでは \ が遠いのと今までの慣れとから Ctrl-O にしたかったので, .emacs に次のように書いておきました。 ついでに,読点を「,」にするようにしました。

;; Wnn用
(if (boundp 'MULE)
    (if (and (boundp 'WNN) WNN)
        (progn
          (set-wnn-host-name "localhost")
          (global-set-key "\C-o" 'toggle-egg-mode)
;         (setq enable-double-n-syntax t) ; nn を「ん」にする
          (setq use-touten-for-comma nil)               ; 「,」にする
;         (setq use-kuten-for-period nil)               ; 「.」にする
          )))

使い方

C-\(上の設定では C-o も可)で変換を起動します。 ローマ字入力し,スペースキーで変換します。 M-h でひらがなに, M-k でカタカナに, M-< で半角に, M-> で全角にできます。 特殊な記号は,たとえば「@まる」で○が出ますし, 「@ゆうびん」(または「@て」)で〒が出ます。

.emacs で nn を「ん」にする設定をしなかった場合は, 単独の「ん」を出すには n だけか,紛らわしい場合は大文字で N を入力します。 小さい「ぁ」などは,ATOK流の la ではなく,canna と同じ xa です。

記号類の入力では C-\ の代わりに C-^ すると一覧から選べます。JIS の番号での入力もこれでできます。

M-x toroku-region で指定範囲を辞書登録できます。

C-x SPC で,指定した領域のひらがなを漢字に変換できます。

もっと詳しい使い方は egg-jp の Info を見ればわかります。 具体的には,Mule で M-x info と入力し, egg-jp の上にカーソルを移動し,スペースキーを押します。 Info はスペース以外に

を覚えておけばナビゲートが楽になります。

Wnn6 自体のマニュアルは /usr/local/OMRONWnn6/doc/index.html からブラウズできます。

kinput2 で使う

まず Wnn4/6 対応の kinput2 を PJE からインストールします。

tar xvzpf /cdrom/tgz/packages/wnn/wkinput2.tgz
cd /
sh install/doinst.sh

あとは次のように環境変数を設定し,kinput2 を起動します。

export WNNENVRC=/usr/local/OMRONWnn6/wnn6linux/ja_JP/wnnenvrc
kinput2 -wnn

参考文献


リンクはご自由にどうぞ。

松阪大学 奥村晴彦 okumura@matsusaka-u.ac.jp

Last modified: Mon Jul 13 16:20:48 1998