さきほど作ったHTMLファイルには <...>
や </...>
のような三角のかっこで囲まれたものがたくさんありました。こういうものをタグ(tag)といいます。
例えば
<p>工事中</p>
は,段落のはじめを表す <p>
という開始タグと,段落の終わりを表す </p>
という終了タグの間に,「工事中」と書かれています。
タグとその中身を合わせて「要素」といいます。例えばさきほどの
<p>工事中</p>
は一つの段落を表す「p要素」です。
HTMLではタグの大文字・小文字を区別しませんが,ここでは小文字に統一します(少し前に流行ったXHTMLではタグは必ず小文字で書きました)。なお,HTMLでは終了タグを省略できる場合がありますが,ここでは終了タグも省略しないで書くことにします(XHTMLでは終了タグを省略できませんでした)。
<h1> ... </h1>
は一番大きい見出しです。
<h2> ... </h2>
は二番目の見出しです。
以下,<h3> ... </h3>
,……,<h6> ... </h6>
と続きます。
ちなみに h は heading(見出し)の頭文字です。
<p> ... </p>
は段落です。
<p>
の p は paragraph(段落)から来ています。
<p>これは段落です。</p>
前後で改行する引用文は <blockquote> ... </blockquote>
です。中に文字を直接入れることもできますし,段落などを入れることもできます。
<p>パスカルは</p> <blockquote> 人間は考える葦である。 </blockquote> <p>と言った。</p>
なお,ここで <blockquote>
と </blockquote>
で囲まれた部分を字下げ(インデント)していますが,これは開始タグと終了タグの対応関係を見やすくするためです。字下げの有無はブラウザでの表示に影響しません。字下げには半角のスペースまたはタブを使います。全角の空白は使えません。
箇条書きは <ul>
... </ul>
です。
各箇条は <li> ... </li>
で挟みます。
<p>私の好きな雑誌:</p> <ul> <li>りぼん</li> <li>なかよし</li> </ul>
上のように書けば,
私の好きな雑誌:
- りぼん
- なかよし
のように表示されます。 ul は unordered list(番号の付かない箇条書き),li は list item(箇条書きの項目)の意味です。
番号付き箇条書きは <ol>
... </ol>
です。
各箇条は <li> ... </li>
で挟みます。
<p>私の好きな雑誌:</p> <ol> <li>りぼん</li> <li>なかよし</li> </ol>
上のように書けば,
私の好きな雑誌:
- りぼん
- なかよし
のように表示されます。 ol は ordered list(番号付き箇条書き)の意味です。
次のように書きます。
<dl> <dt>HTML</dt> <dd>Webページをマーク付けするための言語</dd> <dt>CSS</dt> <dd>Webページの見栄えを整えるための言語</dd> </dl>
次のように表示されます。
- HTML
- Webページをマーク付けするための言語
- CSS
- Webページの見栄えを整えるための言語
dl は HTML4 までは definition list(定義リスト)の意味でしたが,HTML5 では description list(記述リスト)と称されるようになりました。dt,dd は dl の中の term 部,description または definition 部です。
プログラミングの解説などで,スペースや改行をそのまま出力したいときは,その部分を <pre>
…… </pre>
で囲みます。例えば
<pre> if (a == 3) { printf("3です。\n"); } </pre>
と書くと
if (a == 3) {
printf("3です。\n");
}
となります。pre は preformatted text の意味です。
<div> ... </div>
は汎用のブロックを作るためのタグです。中に直接文字を書いてもいいのですが,一般には,複数の段落の類をグループ化して名前を付けるために使います。
<div id="head"> <h1> ... </h1> <p> ... </p> </div>
div はもともと division(部分)の意味でしたが,現在は「何の意味もない」グループ化の要素です。HTML5では,なるべく article,section,nav,fieldset などを使うことが勧められています。
この次の行にある区切りは <hr>
と書きます。hr はもともと horizontal rule(水平の罫線)の意味でしたが,HTML5では段落レベルの区切りという意味になりました。通常は横棒で表されます。
<hr>
は,開始タグ・終了タグの区別がない特別なタグです。なお,XHTML(少し前に流行ったHTMLの拡張版)ではこのような終了タグのないものは最後に /
を入れて <hr />
のような書き方にしました。
<em> ... </em>
は強調(emphasis)を表します。
<strong> ... </strong>
も強調ですが,em より強い強調を表すのが一般的です。
デフォルトでは em は斜体,strong は太字になります。ただし,日本語を機械的に斜体にしたものは見苦しい上に,ブラウザによっては日本語は斜体にしてくれませんので,日本ではスタイルシートで再定義したほうがいいでしょう。例えば
em { font-style: normal; color: #F30; }
とすると朱色になります。
段落の途中などで強制的に改行したい場合は <br>
を使います。br は line break(改行)から来ています。
<p>1行目<br> 2行目</p>
<br>
は,開始タグ・終了タグの区別がない特別なタグです。なお,XHTMLではこのような終了タグのないものは最後に /
を入れて <br />
のような書き方にしました。
<span> ... </span>
は,それ自身では何の働きもしませんが,テキストの一部に名前を付けてCSSやJavaScriptで操作するために使います。
<p>今日は<span id="youbi">日曜日</span>です。</p>
span は次のように言語を指定するためにも使われます。日本語は ja
,中国語は zh
,英語は en
です。
<p>日本の骨と中国語の<span lang="zh">骨</span>は字形が少し違う。</p>
日本の骨と中国語の骨は字形が少し違う。
ブラウザによっては区別して表示してくれます。さらに zh-Hans
で简体,zh-Hant
で繁體になるかもしれません。
次の要素は,すでにHTML 4の段階で「推奨しない」(deprecated)とされています:
applet
, basefont
, center
, dir
, font
, isindex
, menu
, s
, strike
, u
center
はHTML 4以降ではCSSで text-align: center
と書くのが推奨です。たとえば本文全体を中央揃えしたいなら,CSSに次のように指定します:
body { text-align: center; }
本文全体を中央揃えにすると,素人っぽい印象になります。
HTMLやプログラミング言語の解説を書くときに < や > を書きたいことがあります。でも普通に書くとタグになってしまいます。そこで,次の三つのルールを使います:
<
と書く>
と書く&
と書くLast modified: