情報と研究倫理
教科「情報」や「探究」関連、SSH、DXハイスクール等、あるいは情報処理学会の「中高生情報学研究コンテスト」のような研究コンテストで、高校生が研究にかかわる機会が増えています。
研究のプロとしての大学教員が、こういった研究に対して助言を行う機会も増えていますが、そこで大学教員側からよく出される要望として、研究倫理についての指導があります。
研究において、剽窃・捏造・改ざんをしてはならないことは当然ですが、不都合なデータを「外れ値」として捨ててしまうことも改ざんに当たり得ます。
研究をまとめるにあたって、どこまでが本やネットで調べたり専門家に指導してもらったことがらで、どこからが自分のオリジナルの研究かは、はっきりとさせなければなりません。利用したデータなどは出所を明示しなければなりません。ネットから拾ってきた文章や図などを利用する場合には、著作権侵害にならぬよう注意が必要です。
人を対象とした研究では、対象となる人に何らかの負担を強いることになりますが、それが倫理的に許される限度内かどうか、第三者(例えば先生方)に審査してもらう必要があります。迷惑研究・迷惑調査にならないように注意しましょう。アンケート調査でも、プライベートなことを答えてもらう際には注意が必要です。
データの整理・解釈には統計学の知識が必要になることがあります。
参考:
- 中高生の科学コンテストでも捏造や改ざん、探究活動に急務の「研究倫理教育」
- 高校現場における「探究活動」の過程における不正な行為への指導について
- 中等教育の研究倫理
- 酒井聡樹『これから研究を始める高校生と指導教員のために 第2版』(共立出版、2024年)