大数の法則
大数の法則を誤解した先生がTwitterで話題になっていました。この先生は、さいころを1万回振る実験をした生徒を評して、大数の法則を習っていればそんな実験はしなかっただろうと言われたそうです。
大数の法則は、さいころを多数回振ればどの目の出る割合も1/6に近づく、という法則ではありません。さいころを多数回振ればどの目の出る割合もおのおの一定の値に近づく、という法則です。それらの値がどれも1/6であるとは言っていません。実際のさいころは、くぼみの数や大きさが目によって違うので、割合は1/6ではない別の値に近づきます。それを調べようとする実験は、意味があります。
さいころやコインを実際に多数回振って調べた論文をTwitterでいろいろ教えていただきました:
- サイコロの出る目の確率(奈良女子大学附属中等教育学校2年生の奥野俊輔さんによる2019年度サイエンス研究会の研究論文)
- Fair coins tend to land on the same side they started: Evidence from 350,757 flips
- Probability of a tossed coin landing on edge
- 廣瀬英雄先生から:サイコロではありませんが、画鋲が上を向く確率を求めようとして、100個の画鋲を投げて画鋲が上を向く回数を103回実験したことがあります。(電気・情報関係学会九州支部第67回連合大会1169、A Consideration on the Bayes Prior Distribution: A Case of Binomial Distribution)
ほかにもありましたらお教えください。