ギガ

「ギガが足りない」というときの「ギガ」は「ギガバイト」ですが、1ギガバイトは1000メガバイト? それとも1024メガバイト?

コンピュータでは、キロ、メガ、ギガは1000倍ずつではなく1024倍ずつ増えていくという話があります。本当でしょうか?

まず、コンピュータでも、転送速度(ビット/秒、b/s)などは、1 kb/s = 1000 b/s、1 Mb/s = 1000 kb/s、1 Gb/s = 1000 Mb/s のように、1000倍ずつ増えていきます。

問題は、単位が「バイト」(8ビット)のときだけです。伝統的に、1 KB = 1024 B、1 MB = 1024 KB、1 GB = 1024 MB のように、1024倍ずつ増えていくことになっていました。この場合、キロだけは小文字 k ではなく大文字 K と書きます(区別するためにキロではなくケーと読むこともありました)。もっとも、k と K の区別をしない人もいるので、K と書いてあったら絶対に1024だと言えるわけではありませんが。

ただ、この伝統は崩れつつあります。国際的に標準となっているSI接頭語を使おうという気運が高まり、1 kB = 1000 B、1 MB = 1000 kB、1 GB = 1000 MB のように、1000倍ずつにすることが、Windows 以外(Mac や Linux やストレージ業界)では一般的になってきました(この場合は k は小文字です)。USB メモリの何 GB や、DVD の 4.7 GB は、これによっています。

この場合、従来のように1024倍ずつ増えるほうは、1 KiB = 1024 B、1 MiB = 1024 KiB、1 GiB = 1024 MiB のように書きます。Ki は「キビ」、Mi は「メビ」、Gi は「ギビ」と読みます。詳しくはウィキペディアのキビバイトをご覧ください。

ギガの従来の定義は 10243 = 1073741824、今の定義は 10003 = 1000000000 で、両者は約 7.4% も違います。従来の定義だと思って買ったハードディスクの容量が少なかったという訴訟が過去において起こされました(例:シーゲイト、ディスク容量をめぐる訴訟で払い戻しを実施へ)。

しかし、Windows は今でも 1024 に固執しているようです。

1000倍と1024倍が混じって使われることもあります。例えばフロッピーディスクの 1.44 MB は、1.44×1000×1024 バイトです。Twitter では次のような例も出ています(これは2016年の話で、今はどうなっているかわかりません):

@Simofle はい、その通りです。弊社サービスでは1MB=1024*1024バイトとして計算しますが、1GBは1000MBとしております。https://t.co/O9mwtP1yRn

— IIJmio (@iijmio) February 1, 2016

2024年現在、IIJmio モバイルサービスIIJmio モバイルサービス(ギガプラン) には「1ギガ(GB)=1,000MBとなります」と書かれていますが、MBの定義は不明です。

まとめ:試験に出すときは、1000を使うか1024を使うかを明記しましょう。