コンピューター? コンピュータ?

文化庁の1991年(平成3年)の外来語の表記では「英語の語末の-er,-or,-arなどに当たるものは,原則としてア列の長音とし長音符号「ー」を用いて書き表す。ただし,慣用に応じて「ー」を省くことができる」として、例として「コンピューター/コンピュータ」が挙げてあります。つまり、原則は「コンピューター」だけれども「コンピュータ」も許容するという趣旨です。

一方、新しい2022年(令和4年)の公用文作成の考え方では、「コンピューター」と例示されています。ちなみに、公用文といえば「,。」で、横組みの教科書もこれにならっていましたが、今回の「公用文作成の考え方」では「、。」が採用され、話題になりました。

一般財団法人テクニカルコミュニケーター協会標準規格外来語(カタカナ)表記ガイドライン第3版(PDF)では「コンピューター」となっています。マイクロソフトは2008年から「コンピューター」に統一しました(マイクロソフトが外来語表記ルールを変更,カタカナ用語末尾の長音(ー)を表記)。一方、アップルはまだ「コンピュータ」のようです。

文科省の学習指導要領・解説は「コンピュータ」で統一されているようです。高校「情報」学習指導要領解説には「メモリ」「ラスタ形式」「ベクタ形式」のような例もありますので、なるべく短くしているようです。

JIS X 0001「情報処理用語―基本用語」では「計算機,コンピュータ」となっています。「ディジタル計算機,ディジタルコンピュータ」という項目もあります。ちなみに、旧学習指導要領でも「ディジタル」でしたが現行版では「デジタル」になりました。デジタル庁ができたためかもしれません。

というわけで、時代は「コンピューター」に向かっているようですが、情報の教科書などは、当分は「コンピュータ」を使うことになりそうです。