1988年

1988年5月1日,私は PC-VAN の SIG SCIENCE(私が SIGOP をしていたところ) の第1ボード「オムニバス・ボード」(現「科学一般」)に次の書き込みをしました。

#1073/2867 オムニバス・ボード
★タイトル (SCIENCE )  88/ 5/ 1  15:39  ( 49)
LZSS法によるデータ圧縮プログラム/奥村
★内容
 依然ある雑誌にPascalで何かということで書いたのですが、その雑誌が休
刊中なので、TurboCで書き直したものをアップします。
 特徴は、圧縮率が非常に良いことと、符号化が非常に遅いことです。2分木など
を使えば符号化は1桁速くなりますが、LZSS法そのもののアルゴリズムをはっ
きりさせるために、できるだけシンプルに作りました。符号化に時間がかかっても、
アップやダウンの電話代を考えれば、少しでも圧縮率の良いもののほうが良いとい
う考え方もあろうかと思います。
 なお、これはソースのみです。ishとpkxarcで解凍し、TurboCな
どANSI準拠のコンパイラにかけてください。

……略……

(依然は以前の間違い)

「……略……」と書いた部分にソースコード lzss.c を PKARC で圧縮し ISH でテキスト化したものが埋め込んであります。

この lzss.c を始め,当時私が書いたものは当然ながら MS-DOS 形式のファイルです。文字コードは SJIS ですし,行末が UNIX 形式とは違う CR/LF で,しかも TAB が4桁です。 これでは不便なので,TAB だけは4個のスペースに直しておきました。 文字コード,行末,タイムスタンプは元のままです。

PKARC/PKXARC は PKWARE 社のシェアウェアで,当時は DOS 上の圧縮アーカイバの市場をほぼ独占していました。 ISH は 石塚匡哉 (いしづかまさや)さんが作られたバイナリ・テキスト変換ツールで, uuencode や BASE64 と違ってエラー訂正機能があり, 当時の文字化けの起こりやすいパソコン通信では必須のものでした。 UNIX 版の ish for unix もあります。 PKARC などの ARC 形式のアーカイブを UNIX 上で展開するには arc521e.tar.Z を使います。

ちなみに,欧文文字を全角で書くのは今からすれば異様ですが, 当時の PC-VAN のシステムは, 半角と全角を同じ行に混在させると行末部分が失われやすかったので, 欧文文字まで全角で書くことが多かったのです。

脱線しましたが,上記の書き込みをしたところ, 同じ日のうちにROM男さん(CMA59466,園田豊英さん) からさっそく反応がありました。 5月4日には,まむしさん(ZED22472,三木和彦さん)が加わりました。 まむしさんの実験によれば,ARC と比べて圧縮率は数割良好, 速度はアセンブラで書けば ARC とほぼ同等まで上げられるということで, 話が白熱してきました。

他の人の転載許可を得ていないので,とりあえず私の書き込みだけ引用します。

#1083/1083 オムニバス・ボード
データ圧縮アルゴリズムについて/奥村
★内容
 データ圧縮は、フロッピーディスクを節約したり、パソコン通信などでファイル
のやり取りの時間(とお金!)を短縮したりするのに使います。
 PC−VANでよく使われているのが、PKARC、PKXARCです。これが
どんなアルゴリズムを使っているのかは、寡聞にして知りません。いくつかの方法
から選択して使っているようですが、どなたか詳しいかた、お教え願えませんか。
 され、データ圧縮のアルゴリズムでは、ハフマン法が昔から有名ものです。ハフ
マン法については、いろんな本に出ていますし、『日経バイト』86年10月号に
も解説があります。
 ただし、ハフマン法には、ファイルを2回走査する、コード表が必要、2文字以
上の相関を考慮しない、という欠点があります。
 これらの欠点をもたないいろいろな方法が考えられています。
 LZW法というアルゴリズムを使ったC言語のプログラムが、AP−Labo編
著『ハードディスク・クックブック』(翔泳社 ’87)という本にあります。こ
のLZW法は、シンプルで速いため、オンラインでハード的に実現するのに向いて
います。
 LZW法の元になった論文を書いたLivとLempelは、別の論文で、もう
一つのアルゴリズムを提案しています。それに基づくLZSS法というものをここ
で紹介します。これは、圧縮率は非常に良いのですが、符号化は遅く、じっくりソ
フトウェア的に圧縮率するのに向いています。解読は速いので、最初に手間がかか
るだけです。
 原理は簡単です。N文字のバッファを用意し、すでに符号化したN−F文字で始
まる文字列の中から、これから符号化するF文字の頭部と最も長く一致する文字列
を捜し、その位置と長さとを送るだけです。その際、両者の文字列に重なりがあっ
てもうまくいきます。十分な長さの一致が得られなければ、符号化しない1文字を
送ります。最初のN−F文字は、ここではすべて空白に初期化しましたが、自分が
よく使う言語の予約語を入れておいてもいいでしょう(他人には読めなくなる)。
 バッファはリング状にするとメモリの節約になります。また、最長一致の探索に
2分木などを使えば符号化が(1桁は)速くなるでしょう。文字をそのまま送る部
分にハフマン法などを使うというのも可能かもしれません。バッファをもっと大き
くすると、圧縮率も良くなります。もっとも、ファイルのサイズを超えては意味が
ありませんが。この前のプログラムでは、バッファは小さめに選んであります。
 どなたか、このアルゴリズムをつかって、ちゃんとしたアーカイバを作ってみま
せんか。
 パソコン通信のファイルを圧縮するためであれば、多少遅くても、1200ボー
より速ければ符号化の時間は無視できるでしょうから、需要はあると思います。
 (誤植:Liv→Ziv、され→さて)

当時は MS-DOS 上の MIFES というエディタで文章を書いてフロッピーに保存し, 電話をつないで一気にアップロードしていました。 誤植が多いのはあわてて書くためですが, 当時の私の使っていたモデムは 1200bps で, アップロード中に文章が読めるくらい遅いので, 間違いに気付くと手で訂正を入れることがよくありました。

画像圧縮についても議論が出ています。

#1118/1119 オムニバス・ボード
★タイトル (SCIENCE )  88/ 5/12   6:17  (  4)
LZSS>画像データは苦手です/奥村
★内容
 LZSSは、バイト単位のデータを圧縮するのに向いています。それも、同じバ
イトのつらなりがよく現れるようなデータが向いています。
 画像データの圧縮は、たとえば魔女さんがQLDというプログラムを作っておら
れます。この原理はわかりませんが、魔女さんもし見ていらしたら教えてください。

この魔女という人(男性です!)にはその後お会いしたことがあります。

#1164/1171 オムニバス・ボード
★タイトル (SCIENCE )  88/ 5/20   6: 4  ( 22)
LZSS>新しいのできました/奥村
★内容
 木の探索を使った新しい版ができました。従来のC版より1桁ほど速くなったと
思います。まむしさんのアセンブラ版よりも速いと思います。これをさらにアセン
ブラで書けばますます速くなるでしょう。
 あまり速いので、バッファの大きさNを2倍にしてしまいました(つまりEIを
1だけ増しました)。これは固定である必要はなく、ファイル長を超えない範囲で
なるべく大きくなるように、ファイルごとに決めたほうが、圧縮比が良くなるでし
ょう。あまり大きくすると、圧縮比はかえって悪くなります。このあたり、いろい
ろ実験してみる必要があると思います。エンコードされたファイルの最初の部分に、
どういうパラメータで圧縮したかを書いておくとよいでしょう。将来のアルゴリズ
ムの改良に備えて、第何版のLZSSでエンコードしたかも書いておく欄もあった
らよいと思います。
 アーカイバとしての機能はありませんので、使いづらいと思います。ただ単一の
ファイルを縮めるだけです。まむしさんの新しい版に期待しましょう。きっとPK
ARCを凌ぐ最強のアーカイバになることでしょう。
 アップしたLZSS.ISHは、まずISHでLZSS.LZSに直し、さらに
まむしさんのアーカイバLZSS.EXEで解凍します。すると、LZSS.Cが
できます。TurboCなどのANSI準拠Cでコンパイルしてください。
 なお、このLZSS.CをTurboC1.5でコンパイルしたものは、スモー
ルモデルで10776バイトです。printf()を自前のプリントルーチンに
変えるとさらに1Kバイトほど小さくなります。まむしさんも、TurboPas
calのかわりにTurboCで開発されたら、EXEがもっとコンパクトになる
と思いますよ。

当時は Borland(現 Inprise)の Turbo Pascal が人気のコンパイラでした。 私も一時はそればかり使っていました。 しかし,世の中は ANSI C に移ろうとしていた頃です。 私はまむしさんより一歩先に Turbo Pascal を捨てて Turbo C に移行しました。

#1172/1177 オムニバス・ボード
★タイトル (SCIENCE )  88/ 5/21   6:29  ( 11)
LZSS>CRCもあったほうがいいですね。/奥村
★内容
 ヘッダについては、将来のことも考えて設計すべきでしょうね。
 画像圧縮も、そのうち考えてみたいと思います。LZSSは、0の列とか、同じ
パターンの繰返しを縮めるだけで、一般にはQLDなど専用のものに比べて弱いで
しょうね。
 また、ATOK.DICを圧縮してみましたが、案の定、あまり縮まりません。
これは、辞書ファイルの性格上、同じバイト列(単語)が何度も現れないためだと
思います。人間の書く文章(特にプログラムのソースコード)は、同じ語が何度も
現れるので、LZ系の圧縮アルゴリズムにかかりやすいのです。同じプログラムで
も、実行コードは、特にアセンブラで書いた冗長度の低いタイトなコードは、縮ま
りにくいことがあろうかと思います。
 ZOOはどういうアルゴリズムなのでしょうか。

5月22日には MASSAN 氏(現 massangeana こと 益山健 氏)が自己解凍版を作ってくださいました。

#1199/1199 オムニバス・ボード
★タイトル (SCIENCE )  88/ 5/23   6:17  ( 10)
データ圧縮>LZSS,LZW,……/奥村
★内容
 LZSSはZiv−Lempel−Storer−Szymanskiという
4人の人の名前をつなげたものです。前者2人のアルゴリズムを後者2人が改良し
たのです。
 ちなみに、LZWはWはWelchです。
 LZWについては、私がここで下手な解説をするより、次の本を読まれたほうが
いいと思います。Cのソースもついています。
  AP−Labo『ハードディスク・クックブック』
   しょう泳社(しょうは羊へんに羽)、1987年、2200円
 まむしさん、thresholdは(ei+ej+1)/(8+1)ですから、
ei=12,ej=4ではまだ1でよいのです。割り算は切捨てします。

ご隠居こと数学者の大久保謙二郎先生も参加されました。

#1208/1208 オムニバス・ボード
★タイトル (SCIENCE )  88/ 5/24   6:18  ( 10)
データ圧縮>ARITHMETIC……/奥村
★内容
 今朝はARITHMETIC CODINGの勉強をすこししていました。
 ふつうのフFFMAN(ちがった、HUFFMAN)KODING(ちがった
CODING)を改良して、情報量を極限にまでもっていったものというふうに
解釈しました。でも、1文字単位でコーディングしているかぎりは、そんなにメ
リットがあるとも思えません。もちろんHUFFMANよりずっといいですが。
 折衷案として、LZSSで1文字出すところをARITHMETIC COD
INGで(確率はADAPTIVEに変化させて)出せないか、ちょっと考えて
みます。HUFFMANのようにうまくいかないか。いずれにしても、LZSS
で1文字送出する部分は、もうすこしなんとかなりそうな気もします。
 ご隠居先生、どうでしょうか。

5月30日には,まむしさんの lzarc 2.0 ができました。

#1235/1235 オムニバス・ボード
★タイトル (SCIENCE )  88/ 5/31   6: 9  ( 68)
LZSS>もうPKARCは要らない/奥村
★内容
 まむしさんのLZARCはなかなかたいしたものです。これでもうPKARCは
要らなくなりました。
 質問、感想を言わせてください。
 パラメータのデフォルトは11、4なのでしょうか。
 REFLEXの説明がよくわかりません。
 引数を間違えたためアーカイブが作れなかったような場合にも、エラーメッセー
ジが出なかったり、0バイトのアーカイブファイルができてしまったりすることが
あります。
 海外に輸出(?)するためには、英語版ヘルプの英語を練る必要があるかもしれ
ませんが、この辺は英語SIG常連のご隠居先生のほうが詳しいと思います。
 あとはZMYさんの版ができて互換性がどうなるか、われわれ消費者(?)にと
って心配なことですが、速い(あるいは流通に力を入れた)ほうが生き残ることに
なるのでしょうか。ZMYさん、進行はどんな具合ですか? 完成したらここにア
ップしてください。
 PKARCにあってLZARCにない(あるいはその逆の)オプションがありま
す。比較のため、PKARC、PKXARCのヘルプを挙げておきます。英文ヘル
プのお手本にもなると思います。

……略……

 これを書いてからソースの残りがアップされているのを見つけました。まむしさん
どうもありがとうございます。さっそく勉強させていただきます。

まむしさんはアセンブラの名人です。

#1239/1239 オムニバス・ボード
★タイトル (SCIENCE )  88/ 6/ 1   6: 3  (  2)
LZSS>ソースを見て感激しました/奥村
★内容
 あのややこしい木のアルゴリズムがアセンブラで書いてあるのを見て感激しまし
た。とても私にはできないことです。三木さんどうもありがとうございました。

せっかくだから雑誌で発表しようという話になりました。

#1266/1267 オムニバス・ボード
★タイトル (SCIENCE )  88/ 6/ 9   6:14  (  8)
原稿募集>ご隠居さん、魔女さん、まむしさん、皆さん/奥村
★内容
 先日TheBASICの人にデータ圧縮が話題になっていることをちょっとお話
ししたところ、みなさんに原稿を書いていただけないかというようなことでした。
もしよろしかったら、たとえばご隠居先生に算術圧縮、魔女さんに画像圧縮、まむ
しさんかZMYさんにLZARC、MASSANに自己解凍、……といった具合に
分担して原稿(+プログラム)を書いてみませんか? せっかくこのSIGに書き
込んでいただいても原稿料をお払いすることができませんので……。もしご賛同い
ただけましたら、ご連絡いただければ幸いです。上に挙げました以外のかたのご協
力も歓迎いたします。

6月25日には,まむしさんの LARC 2.10 ができました。

折しも SEA (System Enhancement Associates, Inc., Wayne, NJ) が PKWARE に対して訴訟を起こしました。 SEA は ARC という名前の DOS 用 LZW 圧縮アーカイバをシェアウェアとして売っていました。 しかし,PKWARE の PKARC は ARC に互換で,ARC よりずっと高速でした。 この裁判の様子が philkatz.zip というファイルに収められています。 1992年に SEA は日本の会社に売却され,かつての社長 Thom Henderson は小さなプロバイダをしながら悠々自適の生活を楽しんでいるようです (といってもたぶん私より若い人ですが)。

PKWARE の Phil Katz は2000年4月14日に亡くなったそうです。 享年37歳。
#1391/1391 オムニバス・ボード
★タイトル (SCIENCE )  88/ 8/ 3   6:14  ( 14)
Q>訴訟問題?/奥村
★内容
 SEAがPKWAREに訴訟を起こしているとは知りませんでした。それで、どん
な雰囲気なんでしょうか?
 ARCのヘッダ形式の著作権もあるのでしょうか。
 だとするとLARCのように独自の構造にするほかないですが。
 他にZOOとかいうのもあるそうですが(私は使ったことないのですが)、それは
どんなふうになっているのでしょうか。
 そもそも私は元祖ARCも使ったことがないのです。ソースはちょっと見たことが
あるのですが、どうも他人の書いたものは読む気になれない……。
 それから、そうですか、MIXでもLARCが話題になっているのですか。知りま
せんでした。
 STSのほうで本を出す計画があり、その本(2巻本)のディスクサービスになに
かアーカイバをつけるとかいうので、LARCも候補にあがっていたことがあったの
ですが、最近の話ではPKARCを入れてしまおうとか聞いています。PKARCな
どはシェアウェアですがディスクサービスに含めてよいものでしょうか。
#1396/1396 オムニバス・ボード
★タイトル (SCIENCE )  88/ 8    8:48  ( 18)
大変!PKARCがなくなる/奥村
★内容
 GV(SIGグローバル・ビレッジ)の垂れ幕に「……これは,いまアメリカで
問題になっているフロッピヴィールスとは無関係ですが,いささかやっかいなバグ
だったらしいので,差し替えます」とあったので、バグフィックス版と思いきや、
じつは名前フィックス版だったのです(バグもあったのかもしれないが)。あのP
KARC、PKXARCの名はなくなり、かわってPKPAK、PKUNPAKと
いうパックマンみたいな名前になってしまいました。
 これはPKWARE社とSEA社との間の合意によるもので、PKWARE社は
今までの代償にSEA社に非公表の額を払い、PKWARE社のソフトのソースコ
ードの使用を許し、さらにロイヤルティを払って来年1月末までは名前を変えた上
でARC互換ソフトを配布できることになったようです。その後はARC互換ソフ
トは配布できなくなるとのことです。
 よくわからないのですが、これはひょっとして、現在の.arcファイルが将来
のPKWARE社のアーカイバでは読めなくなる可能性があるということではない
かと思います。
 まむしさんのLARCは、名前は「ARC」の3文字が入っていますが、PDS
だし、ヘッダも非互換だから、問題ないと思います。なんならLPAKなどと改名
しますか。それともGNU(GNU’s Not UNIXの略)にならってLN
A(LNA’s Not ARCの略)とでもしたら?(これは冗談)。

SIG SCIENCE は科学のフォーラムなのに, データ圧縮ばかりで燃えている状態でした。

#1551/1551 オムニバス・ボード
★タイトル (SCIENCE )  88/ 8/27  17: 9  (  8)
どうも(c)SHOさん/奥村
★内容
 ほんとにみんな、世界的なソフトができるみこみができてきたので、のりに
のっちゃっています。私じしんも悪のりぎみかな。
 科学の話がぜんぜんありませんね。もっとも、圧縮アルゴリズムも、りっぱ
なソフトウェア科学のテーマですが。
 データ圧縮は、ここまで来た以上、pkarcに追いつくか追い越すか、
やれるところまでみんなでアイデアを出し合ってやっていきたいと思います。
結果はザベのおそらく12月号にみんなで発表して、それで完成ということ
になると思います。

そしてついに……。

#1552/1553 オムニバス・ボード
★タイトル (SCIENCE )  88/ 8/27  22: 3  ( 11)
驚異の圧縮アルゴリズム完成!/奥村
★内容
 その名もLZARIという。LZSSとARIのあいのこである。
 実験結果:
LZSS3.C 5164 bytes
  PKPAK -> 2641
  LZSS3 -> 2086
  LZARI -> 1973
LZSS3.EXE 27906 bytes
  PKPAK -> 23312
  LZSS3 -> 20786
  LZARI -> 18733
 まだコードがきれいでないし、動作はあまり確認してないが、アップします。

8月28日からは圧縮の話を第2ボード「トピカル・コンファレンス」 に移動しました。ここは後に「計算機と算法」という名前になりました。

#276/1976 計算機と算法
★タイトル (SCIENCE )  88/ 8/28   7:22  ( 36)
データ圧縮・今までの経過/奥村
★内容
 ことの起こりは、私が次のようなプログラム(C言語)をアップしたことから始
まったらしいのです。
1073  88/ 5/ 1  LZSS法によるデータ圧縮プログラム/奥村
 現在のLARCの作者、まむしさんがさっそく眼をつけてくださいました。
1086  88/ 5/ 5  TP4へのLZSSの移植  まむし
1087  88/ 5/ 5  <<< lzsspas.lzs for all OSs ( use ish ) [ 40 lines ] >>>
 QLDの作者として名高い魔女りかさんも登場です
1123  88/ 5/12  画像圧縮について。               魔女
1209  88/ 5/24  QLDの圧縮方法は縦横圧縮と色圧縮です。    魔女
 大久保先生は算術圧縮を紹介してくださるなど、いろいろお世話になりました。
1153  88/ 5/17  <<< ENCODE.ARC for MS-DOS ( use ish & arc ) [ 278 lines ] >>
1154  88/ 5/17  <<< ENCODE.ARC for MS-DOS ( use ish & arc ) [ 278 lines ] >>
 MASSANさんも参加していただき、いよいよ本格的になりました。
1179  88/ 5/22  LZSS>はじめまして MASSAN
1180  88/ 5/22  LZSS>self extract version [ヤク180Ln] MASSAN
 そのうち、みんなで研究成果を原稿にまとめて発表しようという話になりました。
1266  88/ 6/ 9  原稿募集>ご隠居さん、魔女さん、まむしさん、皆さん/奥村
 まむしさんが大作のLARCを発表されました。もうすぐ新しい版もできると思
いますが、いまのところの最新版は次のものです。
1319  88/ 6/29  LARCソース1転載/奥村
1320  88/ 6/29  LARCソース2
1321  88/ 6/29  LARCソース3
1322  88/ 6/29  LARCソース4
1368  88/ 7/19  LARCバグフィックス版3/3(NIFTYより転載・奥村)
1367  88/ 7/19  LARCバグフィックス版2/3(NIFTYより転載・奥村)
1366  88/ 7/19  LARCバグフィックス版1/3(NIFTYより転載・奥村)
 8月に入ってからは、もうオムニバスボードはほとんど圧縮関係だけになってし
まいましたので、特にここに挙げる必要はないでしょう。ROM男さんはX680
00に移植されました。Anaさんは実用的な算術圧縮ユーティリティを作られま
した。MASSANさん、まむしさんが次々にアルゴリズムを改良されました。
 今までデータ圧縮の事実上の標準となっていたPKARCが訴訟に負け、来年1
月でなくなることになりました。
 LARCがいろいろなところで注目され始めました。技術評論社のパソコン通信
Jupiterのソフト・サービスの圧縮にLARCが採用されました。
 このボード(トピカル・コンファレンス)は当分のあいだ圧縮専用といたします
ので、よろしくお願いいたします。
#285/1976 計算機と算法
★タイトル (SCIENCE )  88/ 8/28  20: 9  ( 26)
LZARIさらに圧縮率向上(26行)/奥村
★内容
 ここまでくると執念ですね。一致位置のエンコードも確率分布を考えて最適にし
ようと思ったのですが、adaptive(分布を相手に合わせて変える)な方法
では時間がかかるので、適当に固定したものです。変更ヶ所のみアップします。
ishとlarcで解凍してください。前回の修正と合わせて意味をもちます。

私が算術圧縮ばかりやっていたので,9月20日にROM男さんが, Huffmanの方が速いのではないかと指摘してくださいました。

#387/1976 計算機と算法
★タイトル (SCIENCE )  88/10/ 1   6:21  (  9)
ROM男さんの指摘について/奥村
★内容
 LZSS+ARIより+HUFFMANの方がよいのではないかというご指摘、
ウームそうですね、HUFFMANの方が速いでしょうか。圧縮率はARIの方
が若干よいのですが。
 よくわからなかったのですが、2段がまえでするということは、最初に頻度表
を作ってしまうということでしょうか。そうすれば、頻度表もいっしょに送らね
ばならず、小さいファイルではかえって大きくなってしまいます。アダプティブ
(頻度を更新しながら変換していく)の方がその点便利です。
 いずれにしても、やってみないとわからないかもしれませんから、やってみて
くださいませんか。

11月11日になると,NIFTY のほうで LZARI の算術圧縮部を Huffman に置き換えた LZHUF を作った人がやはり出たということを, まむしさんが教えてくださいました。 これが後に LHarc や LHA で有名になる吉崎栄泰さんでした。

#567/1977 計算機と算法
★タイトル (SCIENCE )  88/11/12   6:15  ( 20)
LZHUFやっぱり出ましたか。/奥村
★内容
 そこまでやってくださるかたがあるとは楽しみです。
 HUFFMANにもいろいろあって、コードを固定にする(最初に全文を走査
して度数分布表をつくる)ものから、いろいろなアダプティブな(つまりローカ
ルな度数分布でコードを変化させる)ものまであるようですが、このへんはRO
M男さんが詳しいかな。そのLZHUFはどんなふうにしているのでしょうか。
私はNIFTYにも入っているのですがどうも勝手がわからなくてあそこにいく
と迷子になるのです。
 ごく最近まで横須賀にもNIFTYのノードがあることを知らなかった。
 まむしさんのFSDRに行ってもどの会議室をのぞけばよいのか、また
PC−VANのようにタイトル一覧を見て読みたいものだけを番号で選ぶ
方法がわからなくて、最初のいくつかを全文読まされてそのうち電話代が
心配になって切ってしまうというありさまです。ジャッカルさんも元気で
やっているのかな。
 NIFTYにもサイエンスができたのですね。挨拶の書き込みをしてき
ましたが、やはり会議室を選択的に読む方法がわからず、ご無沙汰してい
ます。朝日のサイエンスネットにもIDをもらったのですが、あそこも
ボードに入るなり最初のアーティクルが全文出てきてびっくりする。やは
り慣れているPC−VANが使いやすいです。ACS,PCSも幽霊会員
でしたが会費切れでもう入れません。
 あれ、話がそれてしまいましたが、ぜひそのLZHUF見たいですね。

というわけで,私も苦労して NIFTY に入って LZHUF.C をもらってきて,

このころから,私は圧縮だけでなく AT 互換機や TeX にも凝り始めています。

12月25日,吉崎さんがついに LZHUF を元にしたアーカイバ LHARC を作られたというニュースが入ります。 さっそく許可を得て27日には PC-VAN に転載しました。


リンクはご自由にどうぞ。

松阪大学 奥村晴彦 okumura@matsusaka-u.ac.jp

Last modified: Thu Apr 27 08:49:17 JST 2000