[改訂第7版]LaTeX2e 美文書作成入門
奥村晴彦・黒木裕介『[改訂第7版]LaTeX2e(ラテック・ツー・イー)美文書作成入門』(技術評論社,,ISBN978-4-7741-8705-1,2色刷,DVD-ROM付,3200円+税)のサポートページです。
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電子版はGihyo Digital PublishingがPDF,それ以外(Kindle,Kobo等)は画像のようです。電子版を買われたかたは技術評論社のサポートページからDVD-ROMの内容がダウンロードできます。
付録DVD-ROMには,本書出版時点のTeX Live 2016一式が含まれています。
macOS High Sierra/Mojave/Catalina対策
[2019-12-18] クリーンなCatalinaでの付録DVDからのインストールはどうやらうまくいかないようです。Catalinaのバグかもしれませんが,とりあえずDVDの内容を /tmp 内に全コピーして /tmp 内から起動すれば回避できるようです。/tmp をFinderで開くには,Finderを立ち上げて「移動」メニューから「フォルダへ移動…」を選び,フォルダの場所として /tmp を指定します。
macOS High Sierra/Mojave/Catalina でヒラギノフォントを利用するには munepi さんによる bibunsho7-patch を適用してください。最新の Bibunsho7-patch-*.dmg をダウンロードして開き,その中の Patch.app をダブルクリックするだけです。Patch.app が開かない場合や,インストールした場所を自動的に見つけられない場合は,ターミナルに具体的なパスを,例えば
TLPATH=/usr/local/texlive/2018/bin/x86_64-darwin /Volumes/Bibunsho7-patch/Patch.app/Contents/Resources/Patch.sh
のように打ち込んでください(必要に応じて sudo を付けます)。munepiさんの解説 もご覧ください。
この項の以下は古い内容です:
2017年9月26日にmacOS High Sierraが出ましたが,現状ではヒラギノが埋め込めなくなっています。とりあえずは
sudo kanji-config-updmap-sys ipaex
でIPAex埋め込みにしてください。対策されましたらここに追記します。現状はこちらの掲示板をご覧ください。
なかなか対策スクリプトが出ないようですので,超いいかげんな方法を以下に書いておきます。
High Sierraのターミナルで以下の3つのコマンドを実行してください。/usr/local
の部分はご自分のインストールディレクトリに合わせて適宜変更してください。適宜頭に sudo
を補ってください:
ln -sf /System/Library/Fonts/ヒラ*ノ明朝\ ProN.ttc /usr/local/texlive/texmf-local/fonts/truetype/cjk-gs-integrate/HiraginoSerif.ttc ln -sf /System/Library/Fonts/ヒラ*ノ丸*\ ProN\ W4.ttc /usr/local/texlive/texmf-local/fonts/truetype/cjk-gs-integrate/HiraginoSansR-W4.ttc mktexlsr
あと,/usr/local/texlive/2016/texmf-var/fonts/map/dvipdfmx/updmap/kanjix.map
をエディタで開いて,
:0:HiraginoSerif-W3.ttc
を :0:HiraginoSerif.ttc
に,
:0:HiraginoSerif-W6.ttc
を :2:HiraginoSerif.ttc
に,
:1:HiraginoSerif-W3.ttc
を :1:HiraginoSerif.ttc
に,
:1:HiraginoSerif-W6.ttc
を :3:HiraginoSerif.ttc
に,それぞれ全置換してください(これらのうち2パターンしかないはずです)。
以上でとりあえずはヒラギノが出せると思います。
ウイルス対策ソフトによる誤検出
以前の版でもありましたが,一部のウイルス対策ソフトがWindows用インストーラをマルウェアと誤認識するようです。もしこのためにインストールがうまくいかないことがありましたら,一時的にウイルス対策ソフトを切ってインストールしてください。
macOS SierraでダウンロードしたISOイメージからインストールする際のご注意
SierraのApp Translocationがらみのトラブルが生じる可能性があります。詳しくはこちらをご参照ください。ターミナルで xattr -c Gihyo_bibun7dvd.*
と打ち込んでからインストールすれば大丈夫のようです。
補足情報・更新情報・バグ
- 本書の環境で dvips + ps2pdf を使う場合の問題点と対処法を doraTeX さんがまとめてくださいました:美文書第7版の TeX 環境で dvips + ps2pdf を使うには。改修をしてくださった aminophen さん,ありがとうございました。
- p.352にちょこっと記述がある jfontmaps が,2017年1月14日に ptex-fontmaps と改称されました。本書DVDからインストールしたTeXシステムでは jfontmaps のままですが,tlmgrなどで最新の状態に更新された場合は ptex-fontmaps になります。たいしたことではありませんが,念のため。
- Ghostscriptに脆弱性が見つかっています(JVNVU#98641178)。文書にEPS画像が挿入されている場合,LaTeXからGhostscriptが呼び出されますので,もしEPS画像に細工がされていれば影響を受ける可能性がありますが,攻撃者から送られてきたEPS画像でない限り,特に気にすることはありません。
- p.78の
\kenten
マクロは本書付録の TeX では動作しますが,TeX Live 2018 にアップデートするか,あるいは別の方法で pTeX p3.7.2 にアップデートすると,圏点がずれてしまいます。この現象の背景と解決策は TeX Forum の 圏点のずれ および GitHub の [okumacro] 圏点のずれ をご覧ください。 - p.126
[hiresbb]
というオプションを例示で使っていますが,もしHiResBoundingBoxのないEPS画像を処理した場合にエラーになります。古いEPSを使う場合はこのオプションを外してください。挿入する画像がEPS以外ならこれでかまいません。 - p.250 9行目
kpsewhich ec-lmtt.tfm
はkpsewhich ec-lmtt10.tfm
の間違いです。 - p.379 よく見るとグラフの原点「O」のフォントがサンセリフ体になってしまっていますが,正しくはセリフ体(ローマン体)です。
- p.25 TeX2imgの配布サイトが https://tex2img.tech に変更されました。